今泉みねさん、81歳。安政二年3月頃の生まれのすてきなおばあ様、元の写真がこういうぼんやり。 |
その昔、「甘えの構造」の土居健郎先生が、芳賀徹著「詩歌の森へ」という中公新書を、推薦してくださいました。土居先生も亡くなり、先日パラパラと「詩歌の森」を眺めていたら、(公方さまの春の夢)という文で、芳賀先生が(今泉みねの「名ごりの夢」は私の最愛の書の一つ)と書いていた。
(昭和38年、この本が東洋文庫に収められて以来、私はこれまで何冊これを友人たちに贈り物としてきたことか)と。そーうなんだ、読んでみたいな。
(今泉みねは、代々将軍家の奥医師をつとめた江戸蘭学の名門、桂川家の七代目国興の娘・・・明治維新の年には、かぞえで14。その少女時代の思い出を、80になってから家族に語った。その息子夫婦が語り口もそのままに筆記したのが本書。まさに、幕末維新回想文学の珠玉)
まだ途中までしかよんでないけれど、読み終わるのが惜しい本です。咸臨丸の話とか、桜田門の変で家中青くなった話とか、大奥に仕えた伯母様の悲しい話とか、まさしく夢のようなできごとに、うっとりしてしまいます。この方もお姫様ですから、七つのお祝いなんかもすごい。
金子光晴の解説というのも、渋いです。
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