2013年1月28日月曜日

「名ごりの夢」にうっとり

今泉みねさん、81歳。安政二年3月頃の生まれのすてきなおばあ様、元の写真がこういうぼんやり。


その昔、「甘えの構造」の土居健郎先生が、芳賀徹著「詩歌の森へ」という中公新書を、推薦してくださいました。土居先生も亡くなり、先日パラパラと「詩歌の森」を眺めていたら、(公方さまの春の夢)という文で、芳賀先生が(今泉みねの「名ごりの夢」は私の最愛の書の一つ)と書いていた。
(昭和38年、この本が東洋文庫に収められて以来、私はこれまで何冊これを友人たちに贈り物としてきたことか)と。そーうなんだ、読んでみたいな。
(今泉みねは、代々将軍家の奥医師をつとめた江戸蘭学の名門、桂川家の七代目国興の娘・・・明治維新の年には、かぞえで14。その少女時代の思い出を、80になってから家族に語った。その息子夫婦が語り口もそのままに筆記したのが本書。まさに、幕末維新回想文学の珠玉)
まだ途中までしかよんでないけれど、読み終わるのが惜しい本です。咸臨丸の話とか、桜田門の変で家中青くなった話とか、大奥に仕えた伯母様の悲しい話とか、まさしく夢のようなできごとに、うっとりしてしまいます。この方もお姫様ですから、七つのお祝いなんかもすごい。
金子光晴の解説というのも、渋いです。

副島さんの金融セミナー

ピントが甘くイラつく写真です。見出しは「CFR派・穏健派の勝ち、強硬なネオコン派の負け」『バイデンがオバマの後を継ぐだろう」「次の中国の最高指導者候補は、胡春華と周強」「今も円安を仕掛けている、ジム・オニールゴールドマンサックス会長」等など
昨日、評論家の「副島隆彦」さんの講演会があり、
大手町の東商ホールには、600人近く詰め掛けてました。地方のお金持ち風ご夫婦みたいのもチラホラですが、大半は今後の自分の生活はどうなるのか・・・といった感じの中高年。
もともとは、経済金融ではなく政治評論家の副島さん。でも、時勢柄このテーマでやると、人は集まるんでしょうかね。「株はどうなる?」「金は買っていいのか」「年金は?」「土地は上がるか下がるか」と、
少々気の毒な質問ばっかりでした。ただ、副島さんも、ご自分を「予言者」と言っちゃったんだから、答えるしかないです。まあ、あんまり真に受けないほうがいいと思うけど、専門はあくまで「政治」ですから、外したって本人は「外してスミマセン」で堂々としてる方です。
ざっとかいつまむと、
●金の国内小売価格は、しばらくこのまま円安が続けばまだ上がる、買ってもいいでしょう。
●日本は、政治家も、官僚も、マスコミも、アメリカに乗っ取られてしまって、いよいよダメ。衰退国家の道。没落していく運命を背負わされている・・・・そういう国になった。
●安部政権は50兆円アメリカに貢いで、円安株高をよろしくとお願いしている。が、株高もそんなに上値はないでしょう。ほどよい所で売って、さっさと逃げましょう。(今買っているのは外国人で、、はやしてはやして、日本人投資家が入ってきた頃、高値で売り抜けて暴落させる。日本人の高値掴みというのは、大昔からの常套で私もよく聞いていた。)
●人民元の外貨預金は、ぜひやろう。三井住友、みずほ、静岡等々でできます。
●インフレきます。
・・・・・等など、マレーシアの開発地区のマンションの案内もしていました。外国に資産を逃がす、具体策です。でも・・・、いくら真剣に聞いてても、逃がす資産は無いし、人民元を預金したくても日本円だって大してあるわけじゃない、「金」を買い込むお金も不如意です。コインとかなら、数個は買えますが。笑。周りの席の人もお金ありそうに見えなかった。でも、マレーシアの開発中マンションの説明が、講演後にあり、そこに詰めかけた百人程度はお金ありそうでした。外国か・・・。

一晩あけて、色々考えさせられました。没落国に住みつづけるしかないと覚悟しても、具体的にどうしたらいいのか。かつてのロシアとか現在のギリシャなどのイメージを描いても、そのまま参考にはならない日本です。泥棒国家から身を守る方法を、捜さなくちゃなりません。