2013年3月30日土曜日

野上弥生子全集座談・対談集の骨董品的おもしろさ

明治大正昭和を生きた、記憶力抜群の女流作家
野上弥生子といったら、漱石門下生の紅一点、くらいの知識しかありません。
たまたま他の作品を探していて、これを見つけました。別巻一、二共に座談・対談集です。
漱石に可愛がられたんですねー、弥生子さんは。みんな思い出を聞きたがります。
彼女は芥川龍之介と格別仲良しで、彼が玄関でおじぎする姿を、長髪で痩せていて「ハタキ」がバサッと前に倒れるようだったと言ってみたり、漱石の下手くそな謡を、メェーと山羊の鳴くような間のびした声がきこえてきたなんて、話しています。お能の話がよく出てきて、昔は人気だったのでしょうか、私も習ってみたかったなーと思いました。座談の相手は谷川徹三、吉川幸次郎、網野菊、円地文子、加藤周一、大江健三郎、ドナルド・キーン等など。
「俊ちゃんは、赤ちゃんの時から知っている」という谷川俊太郎と対談したときは、弥生子95歳。彼女にくらべたら、瀬戸内寂聴さんなんて、ひよっこみたいなものでしょうか。
借りたのは別巻二(昭和36-昭和56)なので、一も予約しました。もっと古い時代は、どんな人が登場するか楽しみです。

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